代々木公園「ヨヨナム」/明かりに誘われて。

せまくて暗くて古い。本当なら少しこわいはずの場所が、人とお料理の力であたたかく居心地の良い場所になる。
代々木公園駅から徒歩2分、小さな明かりに誘われて進んだ先にあります。

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おいでよ

井の頭通りを少し入った住宅街。家と家の隙間にひっそりと、でもなんだか気になる感じをむんむんと醸し出している小さな看板が。「ヨヨナム」。

その先に細くまっすぐ続く石のステップ。気がつけば一歩踏み出していました。怪しげなのに警戒心もなく踏み出してしまったのは、この愛おしい店名と、誘うような電球のせい。

あけてみて

どう見ても人の家の玄関。すぐ脇でゴーゴーと走る電車に急かされながら、開けるのをためらってもじもじ。

だけどここにも安心させてくれるひとつの明かりが。扉横の小さな看板を照らして、ただ優しく、勇気が出るのを待っているよう。

ヨヨナム外観

そっと開けた扉の先は、小さくて、お昼でも少し薄暗い店内。黒とダークブルーで統一された内装がハマっています。

さほど広くないオープンキッチンの中には、黒で揃えた女子たちが美味しそうな湯気にまみれてテキパキと手を動かしています。火にかかったお鍋からもくもくと湧き上がる湯気が、食欲をかきたてるし、なんだかほっとする。

めしあがれ

カウンター席の上から吊り下がるT字の照明。おしゃれにお料理を照らします。

ランチメニューは4種。お米、パン、麺、おかゆが1つずつラインナップした親切なメニュー。その中から、パン枠のバインミー をセレクト。

鯖とサブジのバインミー ¥1,300

登場した時の衝撃たるや。予想外のビッグサイズに、思わず声を出して笑ってしまったほど。ぶっといパンは皮までやわらかくふわふわ。だけどヒキがつよくて小麦の味もしっかりします。

そのパンをいっぱいに開いて詰め込まれているのは、サバとなますとサブジ(キャベツとスパイスの蒸し煮)。なますは辛めの味付けで切り方も太め。サブジのキャベツもざっくり切りで歯応えが残っているのが好きでした。そこにチリソースマヨの組み合わせがとても美味。てっぺんにはディルとパクチー。全員が主役級の存在感をもった、食べ応え最高のバインミー。

コンソメスープ (set)

セットというには立派すぎる野菜のコンソメスープ。バインミーに加えてさらにお野菜が摂れてうれしい。
小口ねぎかと思いきやニンニクの芽?が入っていたのと、ナンプラーのほんのり味が特徴的。

そして特筆すべきは煮卵。おいしすぎて、一口で食べてしまったことを後悔。黒酢のまろやか感がたまらぬ美味しさで、もっとじっくり味わえばよかった。

この煮卵は近くにある系列店の「ピポンペン」で作って持ってきているそう。実はこの日、行こうと思っていたのはピポンペンでした(定休日で断念)。ここで出会えたのも運命。

ベトナムコーヒー ¥400

前にいつ飲んだかわからないほど久しぶりのベトナムコーヒー。やり方なんてとうに忘れてしまっていたので、しっかり教えてもらってからのトライ。9割落ちるのを待って、上をどけたら、混ぜる。失敗しないように、目を離さずにずっと見ている自分がなんだか子供に戻ったような気分。

苦味MAXのコーヒーを、甘味MAXの練乳とまぜる。シンプルっていいなあとしみじみ。酸味とのバランスが・・とか、めんどくさいこと一切なし。素直に純粋に楽しめるコーヒーでした。

あかるい午後

食事中、電車が通るたびに揺れて、ブレーカーが落ちて店中まっ暗になることも。しかし不安になるどころか、そこがなんだか愛おしくも感じる、不思議な空間でした。

素敵なランチタイムを過ごすと、午後がワントーン明るくなると改めて感じたお店。予定と違っても、気になる明かりを追いかけて、ふらりと訪ねてみるのもいいみたい。

ヨヨナム
東京都渋谷区代々木5-66-4
営業時間:11:30〜15:00/17:00〜21:00(不定休)
※最新の営業時間は公式Instagramで確認してください。

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